多様な文化の集まり管打楽器の世界
管楽器には多くの種類があり、それぞれの歴史や特徴は実にユニークです。また、打楽器の数は膨大で、その音色はときに私たちを未知の領域にすら誘います。いっぽうで、さまざまな管楽器と打楽器が集まると、「吹奏楽」という馴染みのサウンドが生まれます。このように、管打楽器は多様な個性のるつぼでありながら、ひとつの文化に集約するための親和性を持っています。
本コースは、集団の中で合奏能力を磨き、自分が専門とする楽器を深く研究することで、「多様な芸術文化を理解し、それを未来の社会に繋げる力」を身に付けることを目指します。
カリキュラムCurriculum
独奏、アンサンブル、オーケストラなど多様な演奏活動に対応できる力を養う
個人実技レッスンによる専門実技授業と、室内楽からオーケストラまで大小さまざまな規模のアンサンブル実習授業を行い、4年間を通じてあらゆる演奏形態に対応する多様な演奏技術と表現方法を習得します。ソリスト、室内楽奏者、オーケストラ奏者に必要な豊かな感性と創造性に満ちた活動を行う能力をもった人材を目指し、実践的なカリキュラムを編成しています。
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1年次?4年次
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室内楽Ⅰ-Ⅳ(1年次–4年次)
アンサンブルにおいて個々の役割を認識し、ハーモニー感の習得、異なる楽器編成でのバランス感覚を養う。木管?金管?打楽器で授業を行うが、楽器の種類を跨いだ複合アンサンブルも実践する。
木管楽器
各楽器の特殊性を念頭に置き、アンサンブルの基本的な能力を身につけるための合奏法を学ぶ。
金管楽器
多様な編成のアンサンブルを取り上げ、個々の音楽表現を深める。
打楽器
現代作品を中心に様々な奏法を身につける。またオーケストラ曲の打楽器パートを取り上げ奏法の研究を行う。
管楽合奏Ⅰ-Ⅳ(1年次–4年次)
吹奏楽のためのオリジナル作品、オーケストラ曲のアレンジ作品、小編成の管楽合奏曲など幅広いジャンルを取り上げる。楽器セッティング、舞台設営(ステージスタッフ)、楽譜管理(ライブラリアン)なども学生が行い、合奏がスムーズに進むための効率を考える。学外にて定期演奏会を行なっている他、地域に根ざした公演活動を行う。
オーケストラⅠ-Ⅳ(1年次–4年次)
毎授業を弦楽器コースと共同で奏楽堂のステージで実施し、舞台設営、楽譜管理、練習スケジュール管理を学生が自ら行い、プロオーケストラの現場に即した経験を積む。11月に行われる定期演奏会を含む数回の公演を通じて、多くの楽曲を効率的に仕上げる実践をする。演奏パートは、年功にとらわれず、上級生?下級生の混合編成によって合奏を行う。
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1年次
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管打楽器奏法の研究Ⅰ
実技レッスン
管打学基礎Ⅰ
専門以外の楽器の歴史?構造?奏法?記譜法の特徴などを学び、4声体を素材として数種の楽器を含む曲にアレンジし、演奏発表する。
ピアノ奏法Ⅰ/ソルフェージュA?B/和声Ⅰ
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2年次
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管打楽器奏法の研究Ⅱ
実技レッスン
管打学基礎Ⅱ
さらに大きな編成(ウインドバンド)のアレンジを実践する。発表される曲について討論も行う。
ピアノ奏法Ⅱ/ソルフェージュC/和声Ⅱ
関連科目:キーボードハーモニー/スコアリーディング/コンピュータ音楽/日本音楽演習/オペラ総論/音楽史特講/音楽心理学/音楽療法/音楽民族学概論/ポピュラー音楽概論/アート?マネジメント/音楽芸術
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3年次
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管打楽器奏法の研究Ⅲ
実技レッスン
関連科目:ピアノ奏法Ⅲ/指揮法/声楽/合唱/楽式論/対位法/音楽学特講/音楽特講/音声学 他
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4年次
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管打楽器奏法の研究Ⅳ
実技レッスン
学内発表
ソロコンサート形式の演奏会を行う。
卒業演奏
集大成としてソロ演奏を行う。
関連科目:ピアノ奏法Ⅳ/楽器研究(鍵盤)Ⅱ/楽器研究(弦)Ⅳ
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カリキュラム構成と特徴
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5つの柱で、あらゆる演奏形態に対応する技術を磨く。
- 個人レッスン形式の専門実技授業「①管打楽器奏法の研究」、楽器の専門知識を学ぶ「②管打学基礎」、アンサンブルを行う「③室内楽」、ウインドオーケストラの実習授業「④管楽合奏」、弦楽器コースと共同で行う「⑤オーケストラ」を5つの柱として、あらゆる演奏形態に対応する演奏技術、表現方法を修得します。
- 最大規模の合奏授業である「オーケストラ」では、学部?大学院生全員の授業となり、演奏は下級生と上級生の混合編成によって合奏することで、互いに充分な刺激を与え合います。また教員と一緒に演奏する機会も多く、その場で素早くアドバイスを受けられ、音楽を肌で感じ取りながら多くのことを学んでいきます。
- 外来アーティストのレッスン、海外提携校への派遣留学制度など国際的な学修経験の機会を設けています。近年ではペトリ?アランコ氏(フルート)、ヨウコ?ハルヤンネ氏(トランペット)、ペーター?シュタイナー氏(トロンボーン)、大茂絵理子氏(マリンバ)を招聘しました
教員Faculty members
教授
倉田 寛
KURATA Hiroshi
教授
深町 浩司
FUKAMACHI Koji
准教授
橋本 岳人
HASHIMOTO Taketo
准教授
ブルックス信雄トーン
Brooks Nobuo Thon
准教授
井上 圭
INOUE Kei
客員教授
秋山 和慶
AKIYAMA Kazuyoshi
客員教授
下野 竜也
SHIMONO Tatsuya
客員教授
中村 功(イサオ? ナカムラ)
NAKAMURA Isao
在学生の声Voice of Students
入試情報
Admission Information
器楽専攻 管打楽器コースでは、学校推薦型選抜、一般選抜を実施しています。学部入試(音楽)
卒業後の進路Career path after graduation
世界的なソリストとして欧米の著名オーケストラや指揮者と共演、自己のアンサンブル活動を展開、Jazz/Pops業界でライブ活動や独自のプロジェクトを展開するなど、個性豊かなアーティストを数多く輩出しています。
演奏団体
新日本フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、札幌交響楽団、山形交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、広島交響楽団、藝大フィルハーモニア(東京藝術大学管弦楽研究部)、中部フィルハーモニー交響楽団、愛知室内オーケストラ、東京佼成ウインドオーケストラ、ドルトムント歌劇場管弦楽団、ワイマール州立歌劇場管弦楽団、フィンランド放送交響楽団、ベルン交響楽団、香港フィルハーモニー交響楽団、香港シンフォニエッタ、中国広州シンフォニーオーケストラ、スウェーデン王立歌劇場、大阪市音楽団、愛知県警察音楽隊、静岡県警察音楽隊、神奈川県警察音楽隊、航空自衛隊中央音楽隊、海上自衛隊東京音楽隊、一宮市消防音楽隊、ポッカレモン消防音楽隊(名古屋市消防音楽隊)など
就職
三井住友海上しらかわホール、ヤマハ株式会社、株式会社ヤマハミュージック名古屋、村松楽器販売株式会社、アカデミア?ミュージック株式会社、東京二期会マネジメント事業部、日本生命、慶應病院
教員
澳门永利会平台、名古屋音楽大学、大阪音楽大学、相愛大学、各地の音楽大学、高校、中学校、小学校教員多数
進学/留学など
澳门永利会平台大学院、その他国内外の芸術系、教育系大学院/ミュンヘン?リヒャルト?シュトラウス音楽大学、リヒャルト?シュトラウス音楽院、ザルツブルク?モーツァルテウム音楽大学、ワイマール?フランツ?リスト音楽大学、デトモルト音楽大学、パリ音楽院、アムステルダム音楽院、ボストン音楽院、ウィーン国立芸術大学、アントン?ブルックナー音楽大学