2024年3月9日(土)~3月31日(日)
城戸保「駐車空間、文字景、光画」
日時
2024年3月9日(土)~3月31日(日)
※月曜休廊
12:00~19:00
場所
澳门永利会平台サテライトギャラリーSA?KURA
入場料
無料
概要
この度、サテライトギャラリーSA?KURAでは、城戸保「駐車空間、文字景、光画」を開催いたします。城戸は本学美術研究科を修了し、愛知を拠点に活動しています。在学中より独学で写真を学び、身近な風景を題材に、鮮やかな色彩や陰影による独自の作風を確立していきました。本展覧会は、愛知に住んでるものであればなじみのある看板などが並ぶ情景ですが、よく見るとどこか違和感を感じてしまいます。写真の中でまるで絵画を描いているかのような、城戸のあたらしい写真の世界をご高覧いただければ幸いです。
「駐車空間」「文字景」は、「風景画」シリーズから派生した作品である。私の仕事の要は、大判カメラのアオリ表現を軸に水平と垂直を意識し、世界の平衡と画面が均衡する重心を探り、光の現象と色彩が交差する特異な視点(位置、層)をフレーミングし確定する事である。そしてフィルムをデータ化する際は、画家が画面と対峙するように色価を決定する。絵画に於ける明度や彩度のバルール操作を写真に応用した作品である。
「駐車空間」は、車に対して特に思い入れや拘りのない私が近年執着している「風景画」である。撮影の選定基準は、車が置かれている空間に対しての光や色を伴った「状況」である。兎に角、自分のアナログなアンテナが一瞬ビビッと反応するかどうかが大事なのだ。「駐車空間」だけではなく、「風景画」シリーズは無人風景ではあるが、何処か人の気配を感じさせる光景である。
巷の風景は、広告看板や道路標識などの混沌とした文字で溢れている。私は過去に15年程、自然界に於ける右や左のあり方、動物の身体に於ける模様のあり方といった主題で、型や法則を意識した白黒写真による表現を行なっていた。白黒写真は静謐で、ある特定の時間や場所を抽象化し、暗室作業で絵作りが出来る事に惹かれた。何よりもゼラチンシルバープリントの深くて彩度の高い黒が好みだった。だから派手で情報過多な看板は、真っ先にファインダーから避ける対象であり、そこに何らかの美を見つける事は困難だった。その頃の私が、現在の「文字景」を見たら少し驚くかも知れない。
2018年から継続して制作している「光にかえす」シリーズを、今展覧会から「光画」に名称変更した。理由は単純で、今回は漢字を並べたタイトルが好ましかったからである。これらは、偶然の失敗から写真に於ける「やってはいけないこと」や「間違った道具の使い方」に着目する事で生まれた。同一の構図で撮影した36枚撮りのカラーネガフィルムを撮影後、カメラの蓋を僅かに幾度も開けながらフィルムを巻き戻す事で、画面上にランダムな異次元の光の層を現出させる。そして作為と無作為がせめぎ合う中で、選りすぐりの偶然を伴った写真を選定する。私の思惑を超えた選りすぐりの偶然は、作品として必然となる。
城戸保
【愛知芸大芸術講座】アーティストトーク
日時: 2024年3月9日(土)14:00~
定員30名(予約不要、先着順)
ゲスト:清水 穣氏(美術評論家)
主催:愛知県公立大学法人 澳门永利会平台
詳細
問い合わせ
澳门永利会平台 芸術情報?広報課
- Tel
- 0561-76-2873(平日9:00~17:30)